雑食は嫌われない

あと食事ができる回数は、、、やばい。。生き急ぎません、食べ急ぎます。

不安との戦い方(2019/02/16 15:11)

春が好きだった。

厳密に言うと、中学から高校に上がる時の春休みが最高に好きだった。その期間は志望校の高校に合格して、中学の頃の友達と遊び呆けていた。受験戦争の激しい波の中で、見事に行きたい高校に入ることが出来た。

だってこの期間は自由だから。

宿題も無いし、部活も無いし、次の機会は確かに保証されてる。そんな確約されたような自由を与えてくれる時間が好きだった。

きっと高校は楽しい。あんな自由が好きだった。

 

今は違う。

 

僕は今確約された未来の無い道に佇んでいる。

安定した希望に溢れる未来を捨てて。僕はカオスな道を選んでしまった。

もう誰も道を作ってくれていないんだ。

未来の想像なんて何もつかない。僕は僕の道を歩こうと思う。

何も見えない道に”不安”ってやつが襲ってくるけど、

仲間を見つけようと思う。誰かとなら出来る気がするから。

黙って人の話を聞け(2019/02/10 17:09)

10代の頃、人の話を聞くことが出来た。

対話じゃなくて、目の前の人のことを知ることを大事に、会話を組み立てることができた。自分のことはほとんど話さなかった。

じっと自分のことを話さなくても、質問だけですぎる時間が、たとえ3時間を過ぎようとも苦も無くその場にいることが出来た。

別に好きだったわけじゃない。自分と他の人は違うんだという強烈な前提にたって、人の話を聞くことが出来たし、その違いを知ることは少しの好奇心を満たしてくれて、自分しか知らないことが少しだけ優越感を持たせてくれた。

週に平均4日、別の子と食事に行ったり、カフェに行って話を聞いた。その流れで彼女も出来たくらいだ。

でもそんな自分は嫌いだった。何も出来ない自分が嫌だった。話を聞くだけなんて嫌だった。何もアドバイス出来ない自分が悔しかった。

いや、そうじゃない。自分の存在価値を、ただ聞くことに見出すことが出来なくて、いつも聞いてばかりの自分が嫌だった。何も語れない自分も、助けになれない自分も、解決出来ない問題も全部嫌だった。自分だって語りたい。主人公でいたい。相手のことはわかっても、自分のことは分からないままだった。

あるチームのリーダーになった。皆が信頼を寄せてくれたから。でも僕は何もしたくなかったし、何も意見を持っていなかったし、仮初めの本気しか出せなくなっていた。本気だって出せないし、心の底から楽しいことなんて無いし、何も導けなかった。皆は自分のことの話はしてくれても、一緒に取り組む問題のことは、ほとんど話さなかった。

僕は誰にどう責任をとらせればいいのか分からなくて、聞くことを辞めた。

誰かと話をすることを辞めた。

向き合うことを、知ることを、辞めた。

チームのメンバーと顔を合わせられなくなり、鬱になった子も出てきても僕は何も思わなかった。悲しく無いし、仮面の心で笑っていられた。僕の心は病んでいたのかもしれない。涙も出なかったし、その人が自分のことは語るくせに責任を自分でとらないことがダメなんだし、考えないといけないことを考えないのがダメだと思った。見たく無いことに蓋をした。

僕は僕の意見を持つようになった。

そしてチームは崩壊した。

おかしい。なんで僕は自分の意見を持ったらダメなんだ。

意見を言おうとすればするほど、皆が遠のく。隣りで自分のことを話すあいつにはこんなに人が集まるのに、なんで。

大失敗と多くの人を傷つけて僕は、リーダーを辞めた。

余裕が無くて、自分の意志もまだ無くて、人に興味がなくて、とにかく自分の人生を生きたいと思ってたら、ボロボロになった。

誰も話に来なくなって、誰にも相談出来ない僕は寂しくて、もう取り戻せない「聞く」という能力を失ったことを憂いた。

そして、まだ僕は自分の意見を尖らせることに必死だ。

どうすれば、強くしなやかに自分を持ちながら、話を聞くことが出来るんだろうと思いながら。

時々するアドバイスは宙に舞って、情報として処理する自分を恨めしく思いながら、失ったものの大きさを実感した。

青春 7 卒業(2019/02/22 17:12)

3月。受験は終わった。

合格発表の前に、卒業式があって。一足早く終わった私立の受験組は合格を喜び、そんな中に彼女の姿もあった。

卒業式の時に流れた、「川嶋あい / 旅立ちの日に・・・」を聴いて心の中で泣いた。涙が止まらなかった。なんでもないように振舞っていたけど、寂しくて仕方なかった。

教室の中は皆の笑顔と感謝と寂しさに溢れていた。皆笑いながら写真をとった。彼女ともとったっけ?多分とってないかな。俺のスマホには残っていない。高校三年間唯一同じクラスだった女の子と2人で写真を撮ったりした。教室の中に長く留まっている彼女を横目で見ながら、バイバイした。

また、打ち上げで会えるかな。その後は、友達とファミレスでだべった。

あーーーーーーーーーーーーーーー

高校は絵に描いたような青春の場所だった。本当に最高の場所だった。

一年の頃は最悪の嫌われ者担任の元で成績も悪い中、仲良くなれないクラスのギスギスの中で球技大会も体育大会もかるた大会も全部一位になった。その皮肉に皆で笑った。

二年は、今まで関わったことの無い人とばっかり同じクラスになったけどなんとかやっていけた。部活は全盛期で楽しかった。正直この頃の記憶はあまり無い。好きな人も別に出来なかった。クラスの中で勉強出来るキャラが定着してきた。

三年は、恋した。部活も近畿大会に出場出来た。成績も伸びた。

部活のあと立ち寄った駄菓子屋も、冬の寒い日に走った池の周りも、春には祭りが開催される高校の桜も、お城のあとに建てられた掘に囲まれた風情あふれる校舎も、めちゃくちゃふざけて遊びまくった部活の同期も、ほとんどの時間を過ごしたテニスコートも、塾の前によって食べたコロッケ屋も。

全部全部青春だった。お金なんてなくても、スキルなんてなくても、勉強なんて出来なくても、良い青春だった。

振り返ればとてもとても良い場所だったんだ。終わって欲しくなかった。こんな日々は一瞬だった。僕はこの生きている瞬間も最高だったことを自覚していたんだ。恵まれていることを自覚していた。

中学時代に憧れた高校。受かっていた時は本当に嬉しかった。

そして終わった。

 

また春が来た。桜が咲いた。綺麗だった。

そして僕は大学に落ちた。

青春 6 受験

僕は振られた。

でも何かが無くなったわけじゃなくて、その後も連絡はとっていたし電話もしていた。僕は彼女が好きで、彼女も僕のことが好きだった。ただ付き合うという約束と、関係性を確保しなかった。確信があった恋愛だったから、白黒つかない状況が嫌な一方、告白によって壊れなかった関係に安堵した。

彼女:「毎朝ちゃんと好きだよな?って自分に確認しないとわからなくなる。。」

僕:「え、、?」

数日後の何回目かの電話で言われたことを今でも覚えてる。ショックだった。僕はこれが恋だと確信めいていたから、なおさらショックで声が出なかった。

それは、もう、、それは、、、、もう。。。好きじゃないってことじゃないいってことだよ。。。

 

その日から、僕らは連絡をとらなくなった。

学校でも、話さなくなった。

 

僕はますます受験にのめり込んだ。大学受験の合格。それに全てを賭けていた。その悲願の達成は全てを打ち消し、僕の恋愛を前に進め、また彼女にぶつかる勇気をくれる。もしまたダメでも、新しい環境があるからきっと大丈夫。だから合格しかなかった。

僕の青春の火がもうすぐ消えようとしていた。

佳境に迎えた受験を前に冬休みも欠かさず学校に行った。会えるかもしれないという思い反面、寂しがり屋な僕は誰かと会うことで安心したかったんだ。

朝の9時から夜の23時まで徹底的に勉強して、いつのまにか誕生日もすぎて僕は受験に向かった。

そして始まるセンター試験。これは僕が受ける国公立試験の中でもかなり重要な試験となる。この結果次第ではもう志望することさえ叶わない。センター試験は、普段と違う環境で同じ高校の子と一緒に受ける。だから久しぶりに皆の顔をみて安心した。あの子の顔は見えなかったけど。

正直やっときた本番にそれどころじゃなかった。

いつものよに、普段通りにテストをこなした。

 

青春 5 告白

時間は流れるように過ぎた。

塾では毎月のように模試があって、良い点をとると系列の各教室で

名前と点数が貼り出された。

あの子とは教室は違えど、実は同じ系列の塾に行ってたから

遠くにいても点数がわかることがあった。

各教科ごとにセンター模試で8割を超えるとその点数と

名前と教室が貼り出された。いつも英語の点数で負けていた。

数学とかは得意だったけど、英語は全然だめだった。

良い点をとってアピールしたかったし、そんな会話をした。

プライドが邪魔して、強がってたけど彼女も頭が良かった。

受験が間近にせまった。

そんなある日、僕は告白した。

いつものように電話していて、いつもと違う方向に歩き出しながら

心を落ち着けて、告白した。きっかけが特別あったわけじゃない。

ただ、このまま大学に行くと離れ離れになることは明白だったから。

友達以上の何かしらの"関係性"が欲しかった。

タイミングもない。勝算は五分ちょい上かな。

もうずっと連絡もとってたし。周りにも周知の中だったし。

いつもの会話の流れで、沈黙が空いた。。

僕:「俺、、◯◯さんのこと好きやねん」

彼女:「え、、、、」

ドキドキしていたかというとそうでもない。

やっと言えたか。みたいな変な達成感があった。

彼女になったら、付き合うのだろうか。

大学に行ったら、どうなるんだろうか。

まぁ兵庫県内で近いから大丈夫か。

頭は、失敗したらどうしようなんて考えてなかった。

彼女:「、、私も好き。」

驚きは、、、なかった。うんうん。

でも次の言葉は予想外だった。

彼女:「、でも付き合えないよ」

え????なんて?なんで?よくわからない。

僕:「え?あ、受験だから、、?」

そう口調からそう判断した。受験に集中したい。賛成。

なるほどそういうことか。確かに。じゃあ終わってから。

彼女:「、、違うよ?」

違うの?!頭の中は大混乱だった。

彼女:「付き合ったらダメなんだ。。好きじゃなくなるかも、

今までもそれで失敗してきた。。」

今思うと、何を言ってるのか少しわかる気がする。

今ならそこからの攻め方だって考えられる。受け止めてあげられる。

でも当時の僕はまだまだ経験値が足りなかった。

レベルが足りなくて、対処のしようが無くて。

そう、彼女は、、恋多き人だった。

今まで何人にも告白されて付き合って、別れてを繰り返していた。

そんなことは知っていた。だから大丈夫だと。

成功すると思っていた部分も心のどこかにはあった。

しかし、彼女の結論は逆だ。関係性を作らない。

それまでの関係性を楽しむ。

なかなかベテランじゃないか。まんまとその相手に選ばれたわけだ。

逆転の目はあるのか?高校生活最後の恋愛関係からもう一歩次のステージに

僕は好きだった。

僕:「、、おぉぉぉ。そっか。」

ダメだ。全然ダメだ。笑えるくらいダメ笑

どうしようもなかった。お手上げ。すぐに引き下がった。

僕らは付き合わなかった。

結末はあまりにもあっさり来た。

歩道橋の上でその後も少し上の空で話した。

それでも、また電話する約束した。

あれ????あれれ???あれれれれれれれれれれれれれれれれれれ

 

 

青春 4 電話

lineを始めたのは8月くらいから、なんと10月の最後までずっと続いた

1日とて途絶えることなく。

いつの日か、彼女のことを好きになっていた。

きっかけなんてなく、その純粋さに、あざとい素直さに

虜になっていた。彼女にしたいとは、思わなかった。

恋に恋して楽しいその空気を壊したくなかった。

別に手も繋ぎたくなかったし、キスもしたくなかった。

純粋な恋なのか、愛なのか、今でもわからない。

僕は、大学受験が大事だった。

人生のレールが大事で、その失敗は全てを失うと本当に信じていた。

中学から勉強は苦手で、いわゆる進学校のその高校受験はギリギリ合格。

とても多い全校生徒の中で圧倒的に下だった。

440人もいた同学年で下から50人に入っていた。

英語の定期テストで20点台を取った時に、ショックだった。

でも、わからなかった。どうすればいいのかわからない。

手応えもない。勉強の仕方もわからない。

早めに勉強して臨んだ次のテストで40点しかとれなかった時は

天を仰いだ。先生も何とも言えない表情だった。

腐ることなく続けた勉強で、3年生になる頃には学年で9位の成績を収めた。

嬉しくて、めちゃくちゃ喜んだ。皆に言いふらした。

昔はバカにされた友達の中でも勉強ができるキャラになった。

「人よりも勉強してるんだ。良い大学に行かなきゃ」

高校の中でも進学する人の少ないところを志望校とした。

受かりたかった。何かが証明されると思った。

勉強が僕の半分を支えていた。

だから、遊びにいくこともなく、青春の中ではしゃぐことも少なく

僕は僕なりの時を過ごした。それが正しかった。

そうそう、ある日から、電話をするようになった。

23時に終わった塾から自転車を飛ばし家に帰ってすぐに

外に飛び出し、電話をするようになった。

あの子との電話は、とても魅力的な時間で幸せだった。

とても寒くて、また震えながら外で1時間も電話した。

親に聞かれたくなくて、家から歩いて10分くらいの場所で電話した。

クラスの勢力図とか話した。

知らない関係性をたくさん知ることができた。

その時間は特別の中でも特別だった・・

まだ学校の中では、話しかけないけど。

別に友達が少ないわけでも、特別静かでもない。

彼女の前だけダメだった。

ある日クラスの男子で話してた時に

「◯◯はいいよな。頭もよくて、◯◯さんともあれやし、、」

「。。笑」

まだ付き合ってもない。でもそうだと思った。

大万歳の高校生。

青春 3 ある日の冬の出来事

文化祭が終わり、センター試験が近づいてきた。

クラスの雰囲気も徐々にピリピリと、同時に寂しさを帯びてきた。

青春が終わるんだ。学校が終わると皆家に帰った。

進学校だった僕の高校は皆、勉強に真面目だった。

国立を目指す一部の人と、私立に行く人に別れた。

「絶対に合格したい、、!」

そう、僕は受験に燃えていた。人より早く受験勉強を始めたのは、

早くから塾に通い出し、その塾の雰囲気に飲まれたから。

他の人より勉強しているはず。行きたい場所がある。負けたくなかった。

lineは、続いていた。

僕の通っていた塾は夜の11時まで空いていたが、

その時間がくるまで携帯をみなかった。

時間がきて、自習を終えた僕がいつもすることは

スマホの小さい点滅を確認することだった。

緑の光の点滅に心が踊った。毎回だ。

lineの返信がきているという合図。まだ

2人の仲が特別であることの合図。

ある日、いつも友達と帰る日常の中、たまたま2人で帰る日があった。

あの子:「(兵庫にある)◯◯大学を受けることにした!」

僕:「え、、、、、、なんで、、」

彼女が目指したのは、愛知の公立の大学だったはず。

それに関西の私立の雄は京都にあるんだ。

なんでわざわざ?

それ以上の追求を許してはくれなかった。

心が少し踊った。

その日は学校の最寄りの駅で3時間は話した。

そんなことは初めてで、学校以外で話すなんて初めてで。

幼少期の自分や、寒い時になんで赤くなるのかとかたわいない会話

僕は小学校時代は何かと問題児だったことを話したり、

部活の成績のことを話したり、なんだ自慢話ばかりだったな。

彼女のどうでもいい、なんだそれ?って話しが好きで

ずっと耳を傾けてた。

寒すぎて切り上げた記憶がある。

向かいのホームから帰る彼女に手を振ることなかった。

その日も行った塾では体の芯まで震えてたのか、震えが止まらなかった。

どんな会話より特別な瞬間で、奇跡だった。