青春 5 告白
時間は流れるように過ぎた。
塾では毎月のように模試があって、良い点をとると系列の各教室で
名前と点数が貼り出された。
あの子とは教室は違えど、実は同じ系列の塾に行ってたから
遠くにいても点数がわかることがあった。
各教科ごとにセンター模試で8割を超えるとその点数と
名前と教室が貼り出された。いつも英語の点数で負けていた。
数学とかは得意だったけど、英語は全然だめだった。
良い点をとってアピールしたかったし、そんな会話をした。
プライドが邪魔して、強がってたけど彼女も頭が良かった。
受験が間近にせまった。
そんなある日、僕は告白した。
いつものように電話していて、いつもと違う方向に歩き出しながら
心を落ち着けて、告白した。きっかけが特別あったわけじゃない。
ただ、このまま大学に行くと離れ離れになることは明白だったから。
友達以上の何かしらの"関係性"が欲しかった。
タイミングもない。勝算は五分ちょい上かな。
もうずっと連絡もとってたし。周りにも周知の中だったし。
いつもの会話の流れで、沈黙が空いた。。
僕:「俺、、◯◯さんのこと好きやねん」
彼女:「え、、、、」
ドキドキしていたかというとそうでもない。
やっと言えたか。みたいな変な達成感があった。
彼女になったら、付き合うのだろうか。
大学に行ったら、どうなるんだろうか。
まぁ兵庫県内で近いから大丈夫か。
頭は、失敗したらどうしようなんて考えてなかった。
彼女:「、、私も好き。」
驚きは、、、なかった。うんうん。
でも次の言葉は予想外だった。
彼女:「、でも付き合えないよ」
え????なんて?なんで?よくわからない。
僕:「え?あ、受験だから、、?」
そう口調からそう判断した。受験に集中したい。賛成。
なるほどそういうことか。確かに。じゃあ終わってから。
彼女:「、、違うよ?」
違うの?!頭の中は大混乱だった。
彼女:「付き合ったらダメなんだ。。好きじゃなくなるかも、
今までもそれで失敗してきた。。」
今思うと、何を言ってるのか少しわかる気がする。
今ならそこからの攻め方だって考えられる。受け止めてあげられる。
でも当時の僕はまだまだ経験値が足りなかった。
レベルが足りなくて、対処のしようが無くて。
そう、彼女は、、恋多き人だった。
今まで何人にも告白されて付き合って、別れてを繰り返していた。
そんなことは知っていた。だから大丈夫だと。
成功すると思っていた部分も心のどこかにはあった。
しかし、彼女の結論は逆だ。関係性を作らない。
それまでの関係性を楽しむ。
なかなかベテランじゃないか。まんまとその相手に選ばれたわけだ。
逆転の目はあるのか?高校生活最後の恋愛関係からもう一歩次のステージに
僕は好きだった。
僕:「、、おぉぉぉ。そっか。」
ダメだ。全然ダメだ。笑えるくらいダメ笑
どうしようもなかった。お手上げ。すぐに引き下がった。
僕らは付き合わなかった。
結末はあまりにもあっさり来た。
歩道橋の上でその後も少し上の空で話した。
それでも、また電話する約束した。
あれ????あれれ???あれれれれれれれれれれれれれれれれれれ