青春 2 文化祭
文化祭までもうすぐ。
あの日、lineが来て以来、毎日lineが続いた。
変わらない日常の中で、唯一の楽しみとなっていた。
何気ないことでも続いていることが楽しかった。
なぞなぞをした。急に出されたなぞなぞは「古いケーキはなんだ?」
だったかな。「オールドファッション」と答えたけど
答えは違った。「それもいいけど〜、」の後は思いだせない。
続けようとしてくれることが嬉しかった。でも自信はなかった。
なぜかわからないけど、受験のことを話すことを彼女は嫌がった。
愛知の大学に行くと言ってた。
僕は兵庫にある大学に行きたくて、落ち込むこともなく、
上の空で「そっかぁ」と話してた。
学校の中では、話しかけなかった。席替えをして遠くにいった彼女と話す
勇気はなかった。彼女を遠目にみていた。
でも、彼女は違った。積極的に話しかけてくれた。
その瞬間の楽しさと優越感は忘れられない。よく笑った。可愛かった。
クラスの中に噂がたった。2人の中が良いという噂。
知ってたし、周りに絡まれたけど「なんもないわ〜」とごまかした。
告白することもなく、文化祭の季節になった。
かき氷屋は大行列。ひたすらに氷を削る。曇りにも関わらずよく売れた。
体育館の中では、皆が色々な出し物をしていた。
そう、彼女もバンドのボーカルとして歌っていた。
歓声の中、クレヨンしんちゃんのモノマネをしていて
「すごいな〜」と思っていた。まっすぐ彼女の顔をみていた。
遠くから、人だかりはすごくて皆聞き入ってたし、僕もそうだったけど
遠くから、みていた。
青春の音楽は綺麗で、純粋なまっさらな音だった。