雑食は嫌われない

あと食事ができる回数は、、、やばい。。生き急ぎません、食べ急ぎます。

黙って人の話を聞け(2019/02/10 17:09)

10代の頃、人の話を聞くことが出来た。

対話じゃなくて、目の前の人のことを知ることを大事に、会話を組み立てることができた。自分のことはほとんど話さなかった。

じっと自分のことを話さなくても、質問だけですぎる時間が、たとえ3時間を過ぎようとも苦も無くその場にいることが出来た。

別に好きだったわけじゃない。自分と他の人は違うんだという強烈な前提にたって、人の話を聞くことが出来たし、その違いを知ることは少しの好奇心を満たしてくれて、自分しか知らないことが少しだけ優越感を持たせてくれた。

週に平均4日、別の子と食事に行ったり、カフェに行って話を聞いた。その流れで彼女も出来たくらいだ。

でもそんな自分は嫌いだった。何も出来ない自分が嫌だった。話を聞くだけなんて嫌だった。何もアドバイス出来ない自分が悔しかった。

いや、そうじゃない。自分の存在価値を、ただ聞くことに見出すことが出来なくて、いつも聞いてばかりの自分が嫌だった。何も語れない自分も、助けになれない自分も、解決出来ない問題も全部嫌だった。自分だって語りたい。主人公でいたい。相手のことはわかっても、自分のことは分からないままだった。

あるチームのリーダーになった。皆が信頼を寄せてくれたから。でも僕は何もしたくなかったし、何も意見を持っていなかったし、仮初めの本気しか出せなくなっていた。本気だって出せないし、心の底から楽しいことなんて無いし、何も導けなかった。皆は自分のことの話はしてくれても、一緒に取り組む問題のことは、ほとんど話さなかった。

僕は誰にどう責任をとらせればいいのか分からなくて、聞くことを辞めた。

誰かと話をすることを辞めた。

向き合うことを、知ることを、辞めた。

チームのメンバーと顔を合わせられなくなり、鬱になった子も出てきても僕は何も思わなかった。悲しく無いし、仮面の心で笑っていられた。僕の心は病んでいたのかもしれない。涙も出なかったし、その人が自分のことは語るくせに責任を自分でとらないことがダメなんだし、考えないといけないことを考えないのがダメだと思った。見たく無いことに蓋をした。

僕は僕の意見を持つようになった。

そしてチームは崩壊した。

おかしい。なんで僕は自分の意見を持ったらダメなんだ。

意見を言おうとすればするほど、皆が遠のく。隣りで自分のことを話すあいつにはこんなに人が集まるのに、なんで。

大失敗と多くの人を傷つけて僕は、リーダーを辞めた。

余裕が無くて、自分の意志もまだ無くて、人に興味がなくて、とにかく自分の人生を生きたいと思ってたら、ボロボロになった。

誰も話に来なくなって、誰にも相談出来ない僕は寂しくて、もう取り戻せない「聞く」という能力を失ったことを憂いた。

そして、まだ僕は自分の意見を尖らせることに必死だ。

どうすれば、強くしなやかに自分を持ちながら、話を聞くことが出来るんだろうと思いながら。

時々するアドバイスは宙に舞って、情報として処理する自分を恨めしく思いながら、失ったものの大きさを実感した。