2020-01-01から1年間の記事一覧
春が好きだった。 厳密に言うと、中学から高校に上がる時の春休みが最高に好きだった。その期間は志望校の高校に合格して、中学の頃の友達と遊び呆けていた。受験戦争の激しい波の中で、見事に行きたい高校に入ることが出来た。 だってこの期間は自由だから…
10代の頃、人の話を聞くことが出来た。 対話じゃなくて、目の前の人のことを知ることを大事に、会話を組み立てることができた。自分のことはほとんど話さなかった。 じっと自分のことを話さなくても、質問だけですぎる時間が、たとえ3時間を過ぎようとも苦も…
3月。受験は終わった。 合格発表の前に、卒業式があって。一足早く終わった私立の受験組は合格を喜び、そんな中に彼女の姿もあった。 卒業式の時に流れた、「川嶋あい / 旅立ちの日に・・・」を聴いて心の中で泣いた。涙が止まらなかった。なんでもないよう…
僕は振られた。 でも何かが無くなったわけじゃなくて、その後も連絡はとっていたし電話もしていた。僕は彼女が好きで、彼女も僕のことが好きだった。ただ付き合うという約束と、関係性を確保しなかった。確信があった恋愛だったから、白黒つかない状況が嫌な…
時間は流れるように過ぎた。 塾では毎月のように模試があって、良い点をとると系列の各教室で 名前と点数が貼り出された。 あの子とは教室は違えど、実は同じ系列の塾に行ってたから 遠くにいても点数がわかることがあった。 各教科ごとにセンター模試で8割…
lineを始めたのは8月くらいから、なんと10月の最後までずっと続いた 1日とて途絶えることなく。 いつの日か、彼女のことを好きになっていた。 きっかけなんてなく、その純粋さに、あざとい素直さに 虜になっていた。彼女にしたいとは、思わなかった。 恋に恋…
文化祭が終わり、センター試験が近づいてきた。 クラスの雰囲気も徐々にピリピリと、同時に寂しさを帯びてきた。 青春が終わるんだ。学校が終わると皆家に帰った。 進学校だった僕の高校は皆、勉強に真面目だった。 国立を目指す一部の人と、私立に行く人に…
文化祭までもうすぐ。 あの日、lineが来て以来、毎日lineが続いた。 変わらない日常の中で、唯一の楽しみとなっていた。 何気ないことでも続いていることが楽しかった。 なぞなぞをした。急に出されたなぞなぞは「古いケーキはなんだ?」 だったかな。「オー…
大学受験一年目 大学に入るということが何かわかっていなかった。 とにかく上を目指し興味のある学部に入り、勉強を頑張ったから国立大学に入ることが正義だと思った。 勉強は今思うと不得意で、嫌いなものだけど、人より量をこなしたから ある一定はできる…
大学生になり彼女ができた。 憧れの人だった。自分にないものを持っていたけど、 それはとにかく俺が欲しいものだった。 まっすぐ自分に素直に、物事をなす力。猪突猛進できる力。 行動力と明るいキャラで皆に愛される力。華を持つ力。 何も無かった。俺にで…
アイデンティティを探す度によく否定をした 自分が幸せだとその幸せを誰かに分け与えたい人がいた。 「俺は違う」 人にネタにされて面白がられるのが好きな人がいた。 「俺は違う」 そつなく勉強ができて、知的好奇心の元に動ける人がいた 「俺は違う」 なん…