雑食は嫌われない

あと食事ができる回数は、、、やばい。。生き急ぎません、食べ急ぎます。

青春 1

大学受験一年目

大学に入るということが何かわかっていなかった。

とにかく上を目指し興味のある学部に入り、勉強を頑張ったから国立大学に入ることが正義だと思った。

勉強は今思うと不得意で、嫌いなものだけど、人より量をこなしたから

ある一定はできるようになった。その道のり。

高校3年の夏だった。同じクラスにあの子はいた。

彼女はクラスの人気者だった。顔は可愛いし、明るく、

先生のモノマネをよくして皆を笑わせた。友達が多かった。

文化祭ではボーカルとして歌っていて、僕は遠くからその姿を見ていた。

1学期の終わりか、初めて話した。そう初めて、お互いに存在を認知した。

席が隣で何を話したか覚えてないけど、勉強ばかりしていた僕に少しだけ

毎日の楽しみなことが増えた。

当時クラスは夏の文化祭に向けて、準備を進めていた。

僕らのクラスはかき氷屋を運営することになった。暑い夏に真っ向勝負だ

それもなんでか覚えてないけど、かき氷の看板を作る係に2人でなった

可愛い子と一緒に笑える。それくらいの感覚だったけど部活ばかりの

夏休みの中に少しだけそんな瞬間があることが嬉しかったのかな。

夏休みの後半だった。晴れた日で、看板になる板を外で広げた。

教室の中でするより、外でやる方がいいという提案を受けて、

小さな教室のある二階建てのプレハブみたいな場所。

その下はよくダンスの練習とかしてたりするけど、

空いてたから使った。

看板作りは楽しかった。端から見たらカップルに見えたかも。

写真は残ってない。なんでもシェアする文化にまだ乗れていなかった。

体育館からのバスケの音も、柔道部屋から聞こえてくる掛け声も

どこかにいって、どんな看板にするか、何色を使うか、

積極的に発言はしてないけど、なんとか決めた。

真面目に絵を塗りながら話をして、手に塗ろうとしてくる黒の筆を

なんとか切り抜けて、、その白い腕にドキドキしながら

「、、楽し。(好きではないよな?)」

時間がたつのも、看板一枚作るのもすぐに終わった。

シンプルな黒塗りの中にかき氷の絵と白い文字。

受験が迫り、部活の残り香の中、僕らは筆を洗った。

家に帰るとlineがきていた。内容なんて覚えてないけど

受験に関することだった。

初めて個人lineをした日だった。少し胸がドキっとした。